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007 遺言

自販機で遺言が売られている。東京都杉並区井草二丁目の裏路地にそれはある。見た目はごく普通の自動販売機(ペットボトル飲料が購入できるよくあるやつ)であり、小銭を入れるところが縦穴になって存在している。その下にお釣りを出すレバーがくの字になって...
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006 実験

二重跳びを繰り返すアンドロイドの真下にある実験室に来ていた。遅効性の毒となる三回性ホログラムについての要領の作成を頼まれていたのを先程思い出し、脳をほんの少しだけ未来の方向にシフトさせたわけだ。私が法理家を目指すのはこの三回性がもたらす問題...
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005 法理

我々は既にカフェを離れていて、奥地にやってきていた。いわゆる変換期というものだ。横を見ると折り重なったレンガの上に連なる深緑色の柵が我々を挟みこんでいて、車一台も通れそうにない広さである。この柵に閉じ込められた木々は森となって、吹きすさぶ風...
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004 竜宮城

「竜宮サマっているじゃん?あの眼鏡かけててよく東芝のCMで踊ってる子」「知らない」「その子、留年したらしい」「ちょっとどうでもいいかもなその話」「だよな」「え、取り乱してるのはこっちだよね」「うんそうだよ」「じゃあ一回手前からいこうか」「ど...
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003 ウサ耳

この世は平等ではない。少年Aによれば、近未来の科学水準は生焼けの肉さえ人を病にうつつを抜かすことを許さないし、玉手箱はちょっと前に『再生上点台』とかいう装置として受け入れられているそうだ。少女Fによれば、下着泥棒なんてものはとうの昔にAIの...
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002 玉の井

「おーい、起きろ玉ノ井」意識がはっきりしないまま面を上げると、そこにはにやけた眼で私を見る猿がいた。いや、違った。「そう、天立は多少ひげっつらだが、立派な人間である」何言ってんだお前、と間髪入れない彼は、天立あまだてという、我らが梨ヶ丘高校...
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001 霧

仄暗い室内に、霧が立ち込めるように白が混ざってゆく。何も見えなくなる前に、とりあえず吐いて出さなければ。心底哀れに思ったでしょ?そう言う誰かの声がして、それは自分の脳みそから出たものであると気づかない。別に特段意味もない。そこに誰かいるとは...