皆さんは少年ジャンプ+という漫画アプリを知っていますか。「SPY&Family」や、「チェンソーマン」第二部、「怪獣8号」などが連載されており、どれもを初回無料で読むことができます。この三作品は連載作品ですが、ジャンプ+(訳してジャンプラ)には無料で読むことができる読切作品(一話完結型の漫画)が沢山あります。これも大変面白いんですね。
現在なんと、ジャンプラで読める読切は全部で1573作品あるみたいです。とてもじゃないですが全部は読むのには時間が足りない…
ということで本記事では、そんなジャンプラの読切作品の中から厳選した15作品を紹介します(主に管理人が読んでいる2022-2023年作品)。
では、早速どうぞ。
言葉は水滴みたいに
亀田。職業「医師」。病院で診察業務を行う彼の元を訪れたのは、7年前に離婚した元嫁だった。新しく築いた家庭を明るく自慢する彼女だったが、生存率30%の大病を患っていることがわかり…
公式サイトより引用
作者は黒川明さん。「お別れのコードは」という作品が、2021年12月期JUMP新世界漫画賞で佳作を受賞した以来のジャンプ+での読み切りです。こっちの作品も二人の男女間の関係を描いたものですね。絵や構図が上手で、読んでいて心温まる作者さんです。
【感想】比喩表現が凄く秀逸な作品です。ギャグも至る所に散りばめられており、ずっと楽しくページをめくることができつつも、最後には感動的な構図が待っており、心動かされました。
ジャンル | ヒューマンラブストーリー |
作者 | 黒川明 |
掲載日 | 2022年12月11日 |
キスしたい男
アンジーにキスしてもらう事を目標にバイトに励む主人公・レオ。ついに目標の100万円を貯め、アメリカに渡ろうとする彼のもとに、中学の同級生のニコがやってきて…!?
公式サイトより引用
作者は「タコピーの原罪」で有名なタイザン5さん。打ち切られてしまいましたが、最近までジャンプ本誌で「一ノ瀬家の大罪」という作品を連載されていました。この作品を知っている方からすると本読切もエグめな話と思うかもですが、そこまでではないのでご安心を。けれど、作者さんのエッセンスは感じられるものになっていると思います。
【感想】登場人物がほぼ二人しかいないにも関わらず、凄く濃密な人間関係を描いています。短い読切でここまでキャラクターを立たせることができるのは、流石タコピーを描いた作者さんだなという感じ(タコピーの方が後です)。最後のシーンが一番好きですね。
ジャンル | ヒューマンドラマ |
作者 | タイザン5 |
掲載日 | 2022年11月14日 |
姫はアツく握る
夜逃げばかりする特異な家で育った麻子。頼りの兄は家を出てしまう。不安の中、通学路で、不思議な女性に出会うのだが――……!?
公式サイトより引用
(現在コインが必要になっていますが、アプリ内で無料で簡単にゲットできます)
温井雄鶏さんの作品です。2023年末まで「ディアスポレイザー」という作品をジャンプラで連載されていました。読切のコメント欄から知りましたが、黒田硫黄さんという漫画家さんに雰囲気が似ているみたいです。
【感想】世界観が突飛な感じはしますが、時折挟まる主人公のギャグセンスや、ピアス先生の人間臭いキャラクターがあって逆に読みやすいです。主人公の境遇は重い感じがするのに、それを感じさせないサッパリとしたエンディングが好きです。
ジャンル | ヒューマンドラマ |
作者 | 温井雄鶏 |
掲載日 | 2022年07月22日 |
シルバーロック
引退して余生を過ごす元ジャズドラマーの福本威文。孫の杏樹が音大ではなく一般大学に進学を決めた報告を受けるが、その言葉の裏に「音楽へのトラウマ」を感じ取った威文は…。気持ちも道もその音で伝えろ!人生最後の大舞台へ!白髪音楽読切!
公式サイトより引用
イケおじが孫に音楽を見せつける話。作者さんは三上カンさん。他に「イマジン」という読切作品をジャンプラで掲載しています。
【感想】とにかくお爺ちゃんがかっこいい、に尽きます。何か一つのことに打ち込んでいる人は本当にかっこいいですよね。憧れの存在。一緒に演奏することになったメンバー達が良い子たちなのも凄く心地いいです。
ジャンル | ホームドラマ |
作者 | 三上カン |
掲載日 | 2022年11月06日 |
静と弁慶
なぎなたで出会った静と弁慶。小さなころからずっと一緒だった。でも、2人の変わらない日常はいつか姿を変えていく。そんなある日の物語。
公式サイトより引用
シンプルなタイトルから想像しえない、二人の間の青春感。作者さんは三木有さん。薙刀なんて知らないよ、という方でも何かの大会や競争経験がある方なら、何か思うところがあるかもしれません。
【感想】独特な雰囲気で話が進んでいきます。絵が半端なく綺麗です。あの「チェンソーマン」の藤本タツキさんがツイッターで褒めていたので読んでみた作品でしたが、心に残りました。
ジャンル | 青春、ヒューマンドラマ |
作者 | 三木有 |
掲載日 | 2022年09月08日 |
ゆびきれない
ある夏の日、幼馴染の”小指”が伸びた・・・。伸びた指の先を探して歩く2人が最後に辿り着いた場所とは――晩夏の大冒険開幕!
公式サイトより引用
作者はピロヤさん。何とは言いませんが、現在精神力に余裕のある方のみの読了をおすすめ致します。一度読んだ後もう一度読み直すとまた新たな発見があるのでおすすめです。
【感想】ネタバレを避けるため何も言いたくありませんが、今回挙げた作品の中では一番驚きがあった作品です。ラブコメっぽい絵柄でしたし、実際そうだったんですけどね…
ジャンル | コメディ |
作者 | ピロヤ |
掲載日 | 2022年04月14日 |
ロッカールーム
毎日が退屈な日雇い労働者の男・橋本。荷物を預けに来たロッカールームで、不思議なコインロッカーに出会う。日々の暮らしは少しずつ変化し…。
公式サイトより引用
作者は鈴木祐斗さん。ジャンプ本誌で『SAKAMOTO DAYS』を連載されている方ですね。本読切は「世にも奇妙な物語」にて、濱田岳主演でドラマ化もされています。
呼べばどんなものでも手に入るロッカー。けれど手に入れたものは一日限りで消えてしまう。
【感想】意外とこういうシンプルな怖い話というのはあまり読切に無いので、少し新鮮でした。もしも自分がこのロッカーに出会ったら、主人公と同じ結末を迎えてしまうかもしれない、と思うと怖かったです。
ジャンル | サスペンス |
作者 | 鈴木祐斗 |
掲載日 | 2019年09月16日 |
部長オブザデッド
学校でゾンビに囲まれた映画部!しかも部長までゾンビ化!?立ち上がる部員(2名)!この窮地、どう切り抜ければ…!?笑いあり涙なしの傑作コメディ開幕!!
公式サイトより引用
作者さんは水永潔さん。『タマロビ in アウト』をジャンプ本誌で連載されていました。他にもジャンプラなどでギャグ作品を掲載されていますので、是非ご覧ください。
【感想】ギャグフルスロットルの作品。ゾンビ部分のギャグパートだけでなく、キャラクター達の放つフレーズのセンスが僕は好きです。めちゃくちゃ笑いました。僕は大好きなのですが、意外にも閲覧数が伸びておらずなぜだ…?もっと伸びていいこれは!
ジャンル | コメディ |
作者 | 水永潔 |
掲載日 | 2022年05月23日 |
鹿野くんって美味しそうだね
彼氏の鹿野くんのことが大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで食べたい女の子の話。
公式サイトより引用
作者は莎々野うたさん。『マリトッツォだっつってんだろ』という作品でジャンプルーキー!の第7回 アナログ部門賞を受賞されています。
読切はそのページに限界があるため二人間のみの恋愛模様が描かれることがとても多いのですが、そんな中でも主人公のメンヘラ色が強いのが少し異質な作品です。
【感想】ずっとホラーなのかラブコメなのか分からずびくびくしながら読み進めていましたが、終盤になりやっと分かって、「あ、いい作品だったんだな」と思いました。
ジャンル | ラブストーリー |
作者 | 莎々野うた |
掲載日 | 2023年03月13日 |
兵士とブリキ屋
人は、取り替えてもヒトですか――? とある小さな村に住むブリキ屋は、兵士たちの義体を造り、生活を営んでいる…近所の姉ちゃんの義体もブリキ屋が取り替えてやったものだ。体を取り替えるたびに何かが失われ、ヒトから別の何かに変わっていく――おぞましいほど美しく、残酷な世界で生きる2人は、人のまま共に在れるのだろうか?連載オーディション大賞作家・矢野橡大が送る衝撃作が読切初登場!
公式サイトより引用
ここまで軽めの作品が続いてますので、少し重めのを紹介します。まず、一枚絵を見てもわかるように、絵がとんでもなく綺麗です。
兵士たちをブリキを用いて修復するブリキ屋である主人公が、戦場へ行く近所の姉ちゃんを修復していく中で、葛藤に苛まれていきます。
作者は矢野椽大さん。現在『ダディデバディ』という作品をジャンプラで連載中です。
【感想】少しずつ人間から遠のいていく姉ちゃんの姿を見つめ続けるブリキ屋の心情を察すると、胸が痛くなる作品でした。絵が綺麗だからこそ、直接的に世界観を感じられてよかったです。
ジャンル | ヒューマンドラマ |
作者 | 矢野椽大 |
掲載日 | 2022年08月16日 |
だっておれ螺旋丸できたから
どこにでもいる青年岡本は、ある日突然螺旋丸ができるようになってしまった!螺旋丸を右手に宿したまま、憧れの先輩のいる教室へ!そこで見たものとは――…!
公式サイトより引用
2022年6月期JUMP新世界漫画賞で、準入選を果たしている本作品。作者は月島大さん。
一応知らない方のために説明すると、螺旋丸(らせんがん)というのは、『NARUTO』で主人公のうずまきナルトが使う術のことです。まあなんか凄い強い球ですね。そんな螺旋丸を一般男子高校生が発動できるようになってしまいました。
【感想】読んでとにかくスカッとしました。何のメッセージ性もなく、ただただ「こいつら馬鹿やってんなあ…」と笑って見れる楽しい作品でした。
ジャンル | コメディ |
作者 | 月島大 |
掲載日 | 2022年08月22日 |
低天井の家
気づくと暗闇にいた。圧倒的に天井が低く、起き上がることができない。しかし、生きていく上で最低限のことは可能だった。幾日か経ち、男は“何か”の存在に気づく…。
公式サイトより引用
作者は吉田豚桃さん。多分この作者さんはちょっとおかしいです。そう思わずにはいられない内容。『夕闇のセンリツ』という作品もかなり衝撃的な内容で僕は好きでした。
ずっと暗闇と裸の人間が映っている画像が続き、ちょっとインパクトが凄い作品です。背景が黒で塗りつぶされているのも新鮮でした。
【感想】ずっと何を見ているんだ…という気持ちになった作品でした。それにも関わらず、気づけば主人公に感情移入しており、結末に悲しみを覚えた自分に驚きました。
ジャンル | ギャグ、ホラー |
作者 | 吉田豚桃 |
掲載日 | 2023年03月10日 |
へのへのもへじと棒人間とパンツ
小学生の佐藤はある日、棒人間になる病気にかかってしまう。病気を治す方法は、脳に刺激を与えること。思春期の刺激といえば、“恋”――!?ジャンプ期待の新鋭が送る青春ドラマラブコメディ!
公式サイトより引用
作者は林快彦さん。残念ながら打ち切りになってしまいましたが、最近まで『魔々勇々』という作品をジャンプ本誌で連載されていました。
比較的珍しい、小学生のラブコメディです。
【感想】ラストシーンに全てが詰まっています。キャラクターデザインがメインはもちろん、サブキャラまでしっかりされているからこそ、棒人間である主人公が際立っていて面白いです。まただからこそ、ラストシーンの影の演出が光っていると思いました。
ジャンル | ラブコメディ |
作者 | 林快彦 |
掲載日 | 2022年10月12日 |
彼の自由に関する研究
義理の父から虐待を受ける少年・春川俊。一日のうち、自由時間はわずか10分。彼が自由になるためにはどうすればよいのか?今回は、彼と周囲の人間を観察していく。
公式サイトより引用
作者は山口渾名さん。
ネタバレなしで読んでいただきたい漫画の一つです。とあるコメントにもありましたが、この構成をとることを思いついた時点で面白いことは決まっています。
【感想】とにかく構成が素晴らしいと思いました。所々に盛りこめられている人間のあくどい行動の数々が、大人vs子供の構図を作り出しており、秀逸に感じました。
ジャンル | ヒューマンドラマ |
作者 | 山口渾名 |
掲載日 | 2022年08月27日 |
油性の
決して消えず、間違えることが出来ない油性のペン。そんなペンを愛する男・秋山はクラスの女子杉並さんに恋をする。想いを伝える為にラブレターを書くことにしたのだが…。荒削りながら才能光る、ルーキー出身作家堂々デビュー!!
公式サイトより引用
作者は次の日奇譚さん。
油性を愛する少し頭がおかしいけれど真面目な主人公が、恋をしてしまったら。
絵が特別上手いわけではなく、秀逸なストーリー展開や構成が飛びぬけて素晴らしいわけでもないけれど、魂がこもった作品で、読めばおそらく数年経っても忘れないでしょう。
【感想】なぜ面白いのかはよく分かりません。とにかくこの作品の持つ熱量には、人を動かす力があるような気がしました。僕もこの作品を思い出して人生頑張ろうと思えるような、そんな作品です。
ジャンル | 青春、ヒューマンドラマ |
作者 | 次の日奇譚 |
掲載日 | 2023年05月30日 |
まとめ
まとめました!いかがだったでしょうか。
管理人の好みや、読切としての性質の問題もあり、少々ジャンルが偏ってしまいました。すみません。
ジャンプラの読切作品は多すぎて、僕も全ての作品を読めているわけではないのですが、紹介したものは間違いなく心に残る作品ばかりです。また面白いものを発見次第ここに追記していきます。
面白いものばかりなのに、あまり話題にならないのがもったいないです。ので、これからまた他の形でも紹介するかもしれません。
以上、おりいでした。
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